ファンドレイジングの事例は?成功したNPO・NGOから勉強できること

「ファンドレイジングの成功事例が知りたい!」
「自団体に応用できるような方法はないの?」
そんな思いをお持ちのあなたのために、ファンドレイジングの成功事例をまとめました。

クラウドファンディングを通じて、1億円の資金調達に成功(抱樸)

認定NPO法人抱樸は、北九州を拠点に、生活困窮やホームレスの状態にある人々の支援を行っている団体です。

2020年に新型コロナウイルス対策の緊急募金として、クラウドファンディングを実施。
1万人以上の支援者から、1億1,579万8,000円もの寄付が集まりました。
支援者の9割以上が、1万円以下の寄付申し込みというのも驚きです。

READYFOR HP

このキャンペーンは、同じ年の日本ファンドレイジング大賞で、『新型コロナウイルス支援特別賞』を受賞しています。
主催した日本ファンドレイジング協会は、選考理由を以下のように述べています。

1億円という大きな目標のクラウドファンディングにチャレンジする中で、動画やSNS等新しいツールや手法を効果的に利用している点と、自団体で組み立てた住まいと伴走型支援を組み合わせた支援の仕組みを、他団体との連携で全国に広めていく取り組みをされている点が、先駆的かつ大きなインパクトを生み出す可能性がある。
(出典:日本ファンドレイジング協会HP

日本のNPOがクラウドファンディングで1億円を調達したのは、私の知る限り初めてのことではないでしょうか。

  • 募集期間中、毎週2回の動画配信
  • SNSを通じた繰り返しの情報発信

上記2点を徹底したそうです。
時流もさることながら、たくさんの市民から共感を集めた好事例と言えそうです。

マンスリー寄付者6万2,000人を保有するアメリカのNPO(charity:water)

charity:waterは2006年設立、ニューヨークに拠点を構える、アメリカの非営利団体です。
その名の通り、アフリカなど開発途上国に清潔で安全な水を届けることが、主な活動内容です。

charity:waterは支援者を惹きつける「動画の制作」に強みがあります。

(出典:Water Changes Everything. – YouTube)

わずか3年半の間に、毎月定額の支援者が62,000人になり、ここから年間1,980万ドル(約20億円)の収入が生まれています。

成功の要因は、単発寄付から定額寄付に、注力するファンドレイジングの領域をシフトしたからとのこと。

That move from short-term revenue to long-term focus was the first step in making the success happen.
(出典:A DIRECT SOLUTION

なかなか芽が出ず、キャッシュフロー的にも苦しい時期が続くことが多い、マンスリー支援者の獲得。

「ファンドレイジングキャンペーンの企画から、定常的に収入が入る仕組みづくりをしたい!」と考えているファンドレイジング担当者にとって、charity:waterのクリエイティブから学べることは多いのではないでしょうか。

マンスリー施策の具体的な考え方については、こちらの記事もご参考になさってください。

マンスリーサポーターの“投資対効果”を考えるうえで不可欠な、「LTV」という指標とは?

遺贈寄付の問い合わせが年間100件以上(シャンティ国際ボランティア会)

公益社団法人シャンティ国際ボランティア会は、アフガニスタンやカンボジアなどのアジア7カ国で、絵本の読み聞かせといった教育支援を行っている団体です。

シャンティ国際ボランティア会HP

団体のファンドレイジングの課題として、使途指定のある寄付が収入の大半を占めるという状況だったそうです。
しかし、遺贈寄付の獲得に注力してからは、

  • 年間約7億円の収入のうち、4割以上を使途指定のない寄付で賄えるように
  • 年間100件以上、遺贈寄付の問い合わせが入るように

という結果が得られたそうです。
具体的な取り組みとしては、「既存支援者へのアンケート調査」「支援者データベースでステータスを管理」「電話と対面で丁寧なフォロー」を徹底したとのこと。

団体の公式ホームページには、遺贈寄付をした人の体験談が掲載されていて、検討してくださった方が迷わないような窓口も整備されている印象を受けました。

「シャンティ国際ボランティア会への遺贈」という方法により、未来への願いが込められた尊いご遺志を、次世代を担う子どもたちの教育のため大切に役立てることができます。
(出典:シャンティ国際ボランティア会HP

遺贈寄付はすぐに結果が出にくく、支援者の状況を可視化する仕組みが大切です。
「まだ遺贈寄付に着手できてない・・」という団体でも、まずは小さく施策を始めて、団体内にデータを蓄積していくのが近道かもしれません。

まとめ:成功しているNPOほど日々地道なPDCAを回している

ここまで読んでくださったあなたなら、「成功事例の金額だけを見ると、途方もなく感じてしまうものの、具体的な施策は自団体にも応用できそうな取り組みが多い」と感じていただけたのではないでしょうか?

  • 支援者の心に響く言葉は?
  • 継続支援者の途中解約率は?
  • 支援者のデータは活用できている?

支援者目線の仮説を立てて分析し、施策から得られた結果をまた次の施策に生かす。
そんな地道なPDCAの繰り返しなのですね。

もし「こんな成功事例もあるよ!」というのがありましたら、ぜひ教えてください。
奮闘しているファンドレイジング担当者のお役に立てていれば幸いです。

この記事を書いた人
鈴木 大悟

この世界のお金の流れを良くしたいという想いがあり、証券会社からNPOに転職しました。 現在はフリーランスのファンドレイザーとして活動しています。 NPOで働く楽しさを知っていただくことで、一人でも多くの方にキャリアの多様な選択肢を届けたい、そんな願いを込めて記事を書いています。